Founder
Fluorescent episode
1983年、Yasuhiro Odanakaは「CREOPAL」COMPOSITE TEETHの開発の手伝いとしてGellerのラボに訪れていました。Odanakaは本来の仕事とは別に、Gellerに見てもらうために彼が製作したいくつかのサンプルをチューリッヒの彼のラボに持っていきました。Gellerは、その中の一つのサンプル(上顎骨の石膏模型のフルマウスのサンプルポーセレン)を指差し、「あなたが製作したこのサンプルは14本中、右側の上顎中接歯だけをVITA VMK 68で製作をしただろう!?」と言ってきました。当時Odanakaは、Noritake陶材を使用しており、Gellerの言っていることが理解できませんでした。Odanakaは「すべてNoritake陶材で製作しています。」と答えたところ、Gellerは当時従業員だったMauro Sant に、このサンプルを右手の掌の平に乗せさせ、蛍光灯の下に立つように指示します。Gellerは、彼の1.5mぐらい離れた前面に立ち、そのサンプルの上に空いている右手で蛍光灯の光を遮るようにサンプルの上に手をかざすよう指示をします。この作業を2,3度繰り返し行わせ、サンプルに入ってくる光の具合を確認した後「間違いない。この右側中切歯だけがVITAだ」と言いました。Gellerは私に「100ドル賭けるか?」と言い、隣の部屋に移動するよう言いました。
外光を遮った隣の部屋で、ブラックライトでOdanakaのサンプルを照らして見たところ、サンプルのポーセレンは蛍光材の影響で光り、その中で右側中切歯だけが暗く光ることはありませんでした。Odanakaはこの事実が信じられなく、理解することができません。すべて、Noritake陶材で製作されているのにも関わらず、1本だけが蛍光色を持っていないわけですから。
推測するには、Odanakaはサンプルを制作する際にイメージを作るためにとりあえず最初に右側の中切歯だけを製作し(最初の発売当時のNoritake陶材、蛍光材が含まれていません。)、その後、Noritake AAA陶材(蛍光材が含まれています)で築盛をした物でした。このGellerの眼には、周りにいた他の歯科技工士も驚かされた逸話の一つです。